料理レシピには載っていない手間と時間のかかるデミソースの作り方 1週間かけてデミソースを作る洋食屋の話

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こんにちは、へっぽこおやじです

へっぽこおやじは20年ほど調理師をしていたんです ある下町の洋食屋で修業を積んでいましたがその店の名物は「デミソース」でした

前回、「昭和のナポリタン」をご紹介しました時のレシピは、修行を積んだ店の物なんですよ ただ一つ、レシピに足りないものは今回ご紹介する「デミソース」だけです

「昔ながらのナポリタン」をレシピで検索するとビッツクリするほど沢山ありますね 喫茶店の味とか・・・皆さんは「昔ながらのナポリタン」と聞くとどんなナポリタンが頭に浮かびますか 今日は「昔ながらのナポリタン」の平成と昭和の違いについてのお話です

その洋食屋では、仕上げにケチャップと一緒にデミソースを少し加えます
すると凄く美味しくなるんです
手間と時間のかかるデミソースは、家庭ではなかなか作る事が出来ないでしょう
本当のデミソースはこれだ!をお話します

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デミソースを1週間かけて作る洋食屋

料理レシピを見るとケチャップやウスターソースを使って簡単にデミソースを作る方法が載っています 今回は真逆、時間と手間が掛かるデミソースのレシピです
「へぇ~ 本当のデミソースはこんな風に作るんだ」と話のネタにでもしてくださいね

デミソースの材料

1 ミルポワ(玉葱・人参・セロリ) 大量
2 牛のげんこつ・牛筋       大量
3 トマトピューレ・トマト     大量
4 フォン・ド・ヴォー・水                 
5 ルー  

1週間もかけて作ると正確な材料の量は分かりません
分量を決めるのは「味見」「香り」「ソースの色」を見て決めます
結局は調理人の《 舌 》それに経験と勘です

デミソースの作り方

 まず作るのは《ルー》です 材料は小麦粉と同量のバターを使います
フライパンに小麦粉を入れ弱火で炒る様に全体を温めます バターを加えて小麦粉が茶色になるまで炒めます 分量にもよりますが、へっぽこおやじは20分位かかりました

 牛のげんこつ(大腿骨など)は髄が出る様にノコギリで切ります その後オーブンで焼き目をつけます 牛筋はフライパンで炒めます同じように焼き目をつけておきます

 玉ねぎは皮をむいて半分に、ニンジンは乱切り、セロリは葉の部分も使います

 寸胴(大きな鍋)に野菜を移し牛のげんこつ、牛筋も一緒に加えます

 トマトピューレとトマト(ヘタを取る)を加え、フォン・ド・ヴォー・水を同量入れて、寸胴(鍋)をいっぱいにします

 沸騰する直前まで強火でその後は弱火にします 焦げないように常に木べらで混ぜていなければなりません それから閉店まで火はつけっぱなしです

エスパニョールソース(Espagnole sauce)の完成

一日中つけておいたソースを見ると随分とカサが減っています 水分が蒸発していますからね
この段階で出来たソースを裏ごしすれば “エスパニョールソース” になります

デミソースの仕込み2日目から5日目

洋食屋では毎日朝、野菜を洗いヘタや皮をむく仕込みを始めます その時に出た野菜のヘタや皮も無駄にはしません まず厨房に入ると昨日仕込んだデミソースにひをつけます
「沸騰する直前まで強火でその後は弱火」は変わりません

寸胴の中身が2/3まで減ってきたら、仕込みで出た野菜を炒めます この時使う野菜は玉ねぎとニンジン、トマトです セロリはあまり使いません トマトは前日、サラダ用に使う物の残りです トマトは炒めません

野菜を寸胴に入れ鶏ガラと野菜で作ったブイヨンと水を同量づつ加えまた寸胴をいっぱいにします そしてまた閉店まで・・・焦がさない様に・・・

この作業を5日目迄繰り返します

デミソースの仕込み6日目から最終日

6日目になるともうトマト以外の野菜は加えません ブイヨンと水を加え煮込むだけです

最終日はローリエ(月桂樹の葉)を加えます  そこにブイヨンとトマトケチャップを入れて半日煮込んで完成です トマトケチャップは味を見ながら加えます
半日経つとソースの量も減っていますがここで水は絶対に加えません 煮詰めた意味が無くなりますからね

肉も野菜も骨さえもなくなっている

これだけの時間をかけると牛筋や野菜はほとんど姿を消しています
牛のげんこつの中身(髄)も無くなっています 残っているのは大きな骨だけです

この後 “シノワ” で濾せば、濃厚で焦げ茶色のデミソースの完成です

レシピには載ってないデミソースの作り方 まとめ

こんなデミソースの作り方は絶対に料理レシピには載っていないでしょう
作る人もいないでしょうけどね

あまりにも時間がかかるので、作っている洋食屋さんも少ないのではないでしょうか
フランスでもここまで手の込んだデミソースは使いません ほとんど日本独自と言って良いでしょう

フランスではフォン・ド・ヴォー(fond de veau)を使ったブラウンソースやブラウンソースにトマトソース(又はピュレ)を加え3時間ほど煮込んだエスパニョールソースが一般的です

昔、手間と時間のかかるデミソースを作る洋食屋さんがあったと言うお話でした

最後まご覧頂いた方々にお礼申し上げます
ちなみに、その洋食屋さんはもう営業していません へっぽこおやじの実家でしたから・・・

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